― 東日本大震災から一年、日本は復興の真っ最中です。
被災された方々の中には、苦しくて、心の整理がつかず、今も当時の事や亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方がたくさんいます。
人は誰でも答えのない悲しみを受け入れることは苦しくて辛いことです。
しかし、日本がひとつになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。
だからこそ、日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔。
見せましょう、日本の底力、絆を。
われわれ高校球児ができること、それは全力で戦い抜き、最後まであきらめないことです。
今野球が出来る事に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います。―
これは東北震災から一年が経った高校野球春の選抜大会に21世紀枠で出場した 宮城県石巻工業高校のキャプテンの選手宣誓です。
大会の組み合わせ抽選でキャプテンが選手宣誓を引き当て、監督が緊急ミーティングを開いて、この文案をチーム全員で作ったそうです。
震災当時、学校には津波が押し寄せ、校庭は水没、校舎には地域の住民等八百人が孤立。
野球部員も震災から二日間はカーテンを身体に撒き寒さに耐えながら、少量のビスケットを分け合って空腹を凌ぎました。
この選手宣誓に甲子園球場いっぱいの観衆はワーッと割れんばかりの拍手で応えました。
僕はこの情景を思い出すと胸が熱くなります。
たくましく元気な心に触れて感動します。
この選手宣誓の覚悟と、その言葉通りどういう中にあっても溌剌(はつらつ)としたプレーをする選手達の姿は、信心する者が見習わねばならない姿勢だと思います。
僕たちはお互い、こうありたいと時が来るのを待っていますが、どういう待ち方をしているかで結果が変わってきます。
ボーッと待っていればボーッとした結果が来ます。
自分から良い時が来るような、時を迎えに行くような信心をすること。
おかげは練って待つ。待つほど積極的な信心はありません。
「必ず時はやって来る。その間アナタは何をして待っていますか?」
見せましょう御信心の底力を。 感動と勇気と笑顔を持って。