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執筆者の写真いっきゅう

朝が来るまで

 数年前のこと、九州に数十年に一度という大型台風が直撃しました。

 その予報を受け、多くの方々が体育館などに避難をし、不安な夜を過ごしたそうです。


 停電になった体育館は真っ暗で無音。しだいに風が壁を強く叩きつけるようになり、今にも屋根が吹き飛ばされそうに。

 外部から閉ざされた不安な空間となったその体育館に癒やしを与えたのは、誰かが持ってきたポケットラジオから聞こえてきた、男女二人のアナウンサーによる台風情報と音楽、そして繋ぎのトークだったと言います。






 いつも聞きなじんだアナウンサーの声に「いま同じ時間をこの人も一緒に生きているんだ」と感じ、心が落ちついたわけです。


 普段からそのアナウンサーの面白い話や、個人的なエピソードなど、ラジオを通して聞いて接する、そういう生活をしてきたためお互いの関係が自然と築かれていた。

 それがあったので、まさかの時にそのいつもの声を耳にしてホッと出来たのだと思います。



 一人では通っていけぬところを通っていけた。



 そのラジオ放送は、台風特別報道番組だったので番組名はありませんでしたが、放送中に男女のアナウンサーが話し合う中で、番組名を『朝が来るまで』と名づけました。

 これは「一緒に生きていきましょう。いえ、一緒に生きていきます」という思いのこもった、素晴らしい名前だと私は思います。


 わたしども金光教の教会も、このラジオ番組と同じように皆さんと一緒に苦楽の道を歩ませてもらわねば。


 東京では12日から、4回目の緊急事態宣言が出されることとなりました。

 コロナは長期戦となっていますが、「止まない雨はない。一緒に生きていくからな。元気を出せよ」と仰って下さる天地の神様、それぞれの親先祖の御霊様たちが励ましてくれるお心をよく知って、お互い心丈夫にここを凌がせてもらいたいです。


 


教祖ご理解 第81節


氏子、十里の坂を九里半登つても安心してはならぬぞ 十里を登り切つて向うへ降りたら それで安心ぢや 氣を緩めると直に後へもどるぞ

 



この教え、「一緒に頑張っていこう。必ず夜明けが来るぞ」と背中を叩き、励ましてくれている神様の姿が目に写るようではありませんか。



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