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執筆者の写真いっきゅう

押しくら饅頭

 わが家の前の道は小学生の集団登校の通り道になっています。

 

 下校中の子供たちが、時には秋のお祭りのかけ声を真似て「よーいやさー」と言い合いながら帰って行ったり 寒い中をだーっと駆けっていく子供たちもいます。


 その後ろから「待ってくれー」って 泣きべそかきながらテクテク追いかけて帰って行くのもいて おもしろいです。





 何年か前の冬の時期のこと。


 学校で習ったんでしょうね。下校する子供たちが「押しくら饅頭、押されて泣くな♪」と歌いながら帰っていってました。


 それが僕の耳に聞こえてきて、


 「そういえば 子供の頃は 友達や兄弟達とどこかの神社の境内とか、公園で、みんなお尻をぎゅうぎゅうに押しつけあったりして押しくら饅頭をしたなあ。懐かしいなあ」と思い出しました。


 身体がポッカポッカ温まるんですよね アレ。


 その温かさを思い出すし、


 「みんなに揉まれて鍛えてもらったらええんやな。みんな一緒にやっていこう」ということも自分なりに思えてきて、


 下校する子供たちの「押しくら饅頭」の歌に温めてもらい、励まされたことがありました。


 それ以来 冬の時期になると「また誰か歌ってないかな」と 時折 外を気にして耳を澄ましています。



 押しくら饅頭のようにして 揉まれて鍛えられ 温められて、今の僕があります。


 ある時、僕は先輩の先生に「ご信者さんから、教えてもらうことがケッコウあります」と言いますと、



 間髪入れず帰ってきた言葉がありました。


 「ケッコウどころじゃねえ、教えてもらうことばっかじゃ。


 ワシはご信者さんから全部教えてもらった。あんたも皆さんから教えてもらえよ。教えてもらえるぞ。


 教えてもらおう 揉んでもらって力をつけていこう思うて 皆さんと一緒にご信神させてもらいんせえよ。力がつくぞ」



 僕たちは押しくら饅頭のようにして、日々 みんな一緒に生きているんだと思います。

 ご縁があって出会った人たちなんです。

 

 「この人と団子になって生きていけ。そうすれば良いものがアナタの身につくぞ。良い物が生み出されていくぞ」

 そういう風な神様の思いがあって、お互いを巡り合わせて下さったのかもしれません。

 

 ひとつの出会いをおろそかにせず、お一人お一人大切にかかわっていきたい。


 その事が分かるとポッカポッカと僕の心が温まってきました。

 


 冬は日が暮れるのも早くて なんだか物寂しく思う時もありましたが、寂しいどころじゃありません。


 今年もいろんなことがあったな、いろんな人に巡り会うことが出来たな。傷ついたこともあったり、大変なこともあったけど、反対に助けられたり、支えられたりしたこともあった。


 そう思うと「押しくらまんじゅう押されて泣くな」という歌声が 僕の耳の奥から再びよみがえってきて 励まされ 胸の内があたたかくなって、よし今日も元気出して生きるぞと思えてくるのです。


 みんな一緒に 寒い冬を乗り越えていきましょう。



尋求教語録 52


 天に口なし 人をしていわしむ ということがあろうがな 神様は人の口を

借っていわされることがあるから 信神しておる者は 子守の歌でも気をつ

けぇ うっかり聞いてはならぬぞ



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