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執筆者の写真いっきゅう

先輩の先生を偲んで

先輩の先生の訃報が届いた。 長崎で長年教会ご用をしてこられ、分かりしころは自衛隊のレンジャーだった。



持ち前の体力で、奥さんの心配をよそに、高齢になっても台風が来るたびに屋根に上がってブルーシートをかけたり、庭木の剪定をしたり。


また、地域の人が利用する共同温泉のお掃除や、お年寄りの入浴介助など、よくされてきた敬愛する先輩。


先輩の教会へお参りさせてもらった時に、近所の人が教会の前を通る時に、わざわざ立ち止まって教会に向かって手を合わせていた光景があった。



時々、ジャガイモや焼酎を送ってきてくださって、現場でコツコツ教会ご用をやってる僕を励まして下さった。


と言っても堅い話は一切なし。ユーモアあふれる話ばっかし。





西日本豪雨の時に、心配して電話をくださったのをよく覚えている。 「そっちはたいへんだなー。どうかな?」


「はい、いつもは雨漏りしないですが、今回は台所が漏ってきてます」



「そうか、こっちも関西ほどじゃないけど結構降ってる。うちの雨漏りは一ヶ所じゃないよ。あちこちから。雨漏りの音がもうドレミファソラシドです。私は台所で傘をさして食事しとると。もうちょっとの辛抱やけんな」


 そう言って笑わせてくれた。励ましてもらった。

  


 大雨が続き「この豪雨はいつまで続くのか…」とめいっていた気分がどこかへいった。


 

 僕もこんな風に人を励ますことができるようになりたい。  笑いとユーモアで受け止める。それは強い生き姿だと深く感じた。

 

 人生の中で雨が来ても風が来ても、一つ一つ屋根を直し、笑って受けきって、心が折れることもない。




 先輩は、亡くなった今もユーモアをもって笑って、僕に何か語り掛けてくれているはずだ。



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