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お月見はしましたか?

「 名月や 池をめぐりて 夜もすがら 」  (松尾芭蕉)



中秋の名月を眺めながらのお歌。なんか良いですよね



「 あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月 」 (明恵上人)



明るいなあ、ほんとに明るいなあ、ほんとにほんとに明るいなあ…お月さま。


夜空を見上げている明恵証人の気持ち、

月に見入っている感情がすごく伝わってくるお歌



比べてみて、


私は明恵上人のお歌の方が好き


なぜなら素直な感動が伝わって、一緒に見てるような思いになるので、

すごく好き



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こんなちょっと昔のお話がありますよ◎



・・・・・・・・・・・


【寝たきりのお父さんを看病しながら、神様のおつとめをしておられるある教会の先生のお話神職のお話】


お父さんが寝たきりですから、いろいろとお世話が大変です。


けど、一生懸命にお世話をしながら、神職のおつとめをしておられました。



ある晩のこと。

お父さんが部屋からその人を呼んでいる。

しきりに声を出して呼んでいる。



しかし、しゃべることも不自由で、どういう声を出してたのかは分からない。

けれども、とにかく声を出して息子を呼んでいた。



「お父さん、何の用事でしょうか」



息子であるその先生。

お父さんの側へ寄って行って枕元で尋ねた。

でもお父さんがいろいろと言うが、その言ってることの意味が分からない。



「お父さん、あれですか、これですか?」



と尋ねても、



「違う」と仕草をする寝たきりの父親



どうしてあげようもない。


どうしていいのか分からず、ほとほと困りはてました。

ひょっとお父さんの顔を見ると、お父さんの視線が寝ている部屋の窓の方へ向いている。



そこで、その視線を追って窓の所を見てみると、

窓の向こうへ満月、本当にまん丸いお月様が出ていた。



先生ははっと思って、

「お父さん、あの月のことですか」と指さした



そしたら、お父さんは、初めてにこーっと笑った。



お父さんは、満月がほんとう美しく照り輝いていた、

その満月の美しい姿を見て、それをわが子に見せてやろうと思った。



わが子に知らせて 見せてやって、喜ばせてやろうと、

わが身の不自由さを顧みず一生懸命に息子を呼んでいた。



その親の心持ちが分かった息子もである先生も大変喜んで、

「ええ月ですねえ、立派な月ですねえ」



しばらく親子でお月見をした。



そうすると、

お父さんが息子の喜ぶ姿を見て、寝ながらもにこにこ笑っていた。



わが身の不自由さを顧みずに、

わが子を喜ばせてやろうという親の心持ち、親心。



これに息子である先生は たまらなくなって、親がいとおしくなった。



これ以来、この息子は親の喜んだ姿が忘れられない。

自分の息子に月を見せて、


息子が「ええ月ですねえ」と喜んでいる姿を見て、

にこにこしている親の喜びの心持ちが忘れられずに、



これこそ神様のお心と同じと悟った。



神様は、一人一人が幸せになって喜ぶ姿を望んでいる。

これこそ神様のお心だと。



そして、


このお心と自分がつながって安心し 日々の元にしていかねばと。



以来、この先生は


いつも、親が月を見せてくれた時の心持ちに立ち戻って、

お参りされる方々とともに、一緒に苦楽を共にご信心をされていったということです。


・・・・・・・・・・・・



あかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月



今夜の月  誰かと一緒に見たくなりました◎

 
 


今ここ 神様

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